リーズナブルにそれなりの揚げ物が食べられることで人気の「かつや」
最近,お食事券をいただき利用することが増えました。
食事券を使ってのいただくにしてもドケチ系ブロガーとして気になるのは,昨今のインフレによる値上げ事情。
以前は,
「カツ丼490円(税抜)から」
と500円を切るインパクトのある価格が掲げられていたのが印象的でしたが,2023年9月現在,カツ丼は540円(税抜)からとなっています。
インフレが押し寄せる2023年には,かつやも2回の値上げの波が……。
そんなかつやで”値上げ幅が小さい=相対的に以前と比べて割高感のない”メニューは何かを調査してみました。
- 約2年前(2021.10)からの平均的な値上げ率は丼・カレー8.0%程度,定食7.3%程度。定食の方が値上げが緩い傾向
- カツカレー(松)は値上げなし
- カツ丼は,(竹)の値上げ幅が小さい
- おすすめメニューの中では,ロースカツ定食の値上げ幅が小さい
- ただし,ロースカツ・から揚げ定食はもっと穴場
- 2023年は2回の値上げが行われたが,それぞれのメニューの値上げは1回(2回連続の値上げはない)
調査方法
調査対象期間:2021年10月20日ー2023年9月
調査対象:イートインメニュー。ただし期間限定メニューを除く。
調査方法:現行のかつや公式サイト,InternetArchiveに保存されている公式サイト,食べログ等に投稿されているメニュー写真を参照[1][2][3]
調査対象期間は2021年10月20日から。理由は,同日にメニューの大改定(「赤辛カツ丼」などの終了,から揚げ系メニューの登場など)があったため。これより前と比べると分かりにくくなるため2021年10月20日からとしています。
なお,このメニュー改定では「とん汁定食」を除き値上げは行われていません。
メニュー改定以前はヒレカツ付きの「とん汁定食(650円)」1メニューのみが提供されていましたが,改定後は「とん汁定食(ロースカツ)(650円)」「とん汁定食(ヒレカツ)(690円)」と二つにわかれ,ヒレカツバージョンは40円値上げされたことになります。
調査結果
■(2021年10月20日ー2023年9月)カテゴリ別の値上げ率※
丼・カレー:8.0%
定食:7.3%
その他(一品など):23.4%
全品:8.6%
※それぞれのカテゴリの合計価格より算出
全メニューの結果は次の表のとおり。丼・カレー,定食それぞれのカテゴリの値上げ率より低いメニューは黄色のマーカーをつけています。
メニューごとでは値上げは2022年,2023年で各1回程度
2022年7月の値上げではほぼ全てのメニューが値上げされていました。
一方,2023年の2回の値上げでは,それぞれ半数ほどのメニューの値上げが行われ2回連続で値上げされたメニューはありません。
割安感が補正されてしまったと考えることもできます。
ソースカツ丼より通常のカツ丼の方が割安感あり
通常のカツ丼とソースカツ丼は同じ値上げ幅です。
メニュー | 2021年10月 | 2023年6月- |
---|---|---|
カツ丼(梅) ソースカツ丼(梅) | 490円 | 540円 |
カツ丼(竹) ソースカツ丼(竹) | 650円 | 690円 |
カツ丼(松) | 850円 | 920円 |
ここでカツ丼とソースカツ丼の原材料の値上げ幅を考えてみましょう。
カツ丼は,ご存知のとおり,値上げ著しい卵が使用されています。このかつやでも温泉卵は2021年から60円も値上げされています。
一方,ソースカツ丼はソース・キャベツが主な材料でありこれらは大きな値上げは行われていません。実際に単品の千切りキャベツは20円の値上げです。
このような状況の中でソースカツ丼と通常のカツ丼の値上げ幅は同じ。すなわち,通常のカツ丼の値上げによる割高感は控えめと言って良いでしょう。
カツ丼の中で割安感があるのは(梅)ではなく「(竹)」
かつやの看板メニューといえばカツ丼(梅)。
店舗前には「カツ丼 540円(税抜)」の文字がデカデカと。客寄せパンダ的な商品として利用されています。
また,カツ丼(梅)の注文を厨房に通す際に響く「一丁!の声。丼カテゴリの中ではカツ丼の梅サイズがデフォルトとしてオペレーションが回っていることがわかります。
そんなこんなでやはりカツ丼の中で一番値上げ幅が小さいのもは梅であると予想していたのですが,実はカツ丼の中では竹が一番値上げ幅が小さいという結果となりました。
メニュー | 2021年10月 価格 | 2023年6月- 価格(値上げ幅・値上げ率) |
---|---|---|
カツ丼(梅) | 490円 | 540円(50円・10.2%) |
カツ丼(竹) | 650円 | 690円(40円・6.2%) |
カツ丼(松) | 850円 | 920円(70円・8.2%) |
カツカレー竹990円は値上げなし。税抜1000円未満は死守
かつやのイートインメニューで最高値を誇るカツカレー(竹)990円については値上げは行われませんでした。
また,値上げがあったメニューについても一番高価になったものでダブルロースカツ定食950円→990円とトップタイ。1000円を超えることはありませんでした。
おそらく,現在のところは税抜1000円を超えないような方針が取られていると推測されます。
「おすすめメニュー」で値上げ幅小=ロースカツ定食
かつやHPにて「おすすめ」とされているメニューの値上げ幅は次のとおり。ロースカツ定食がおトクです。
メニュー | 2021年10月 価格 | 2023年6月- 価格(値上げ幅・値上げ率) |
---|---|---|
カツ丼(梅) | 490円 | 540円(50円・10.2%) |
特カツ丼 | 650円 | 720円(70円・10.8%) |
ロースカツ定食 | 690円 | 720円(30円・4.4%) |
ヒレカツ定食 | 790円 | 840円(50円・6.3%) |
他のメニューでは,ロースカツ・から揚げ定食は値上げが少ない穴場メニューです。
メニュー | 2021年10月 価格 | 2023年6月- 価格(値上げ幅・値上げ率) |
---|---|---|
ロースカツ・から揚げ定食 | 790円 | 800円(10円・1.3%) |
調査期間(2021年10月-)より前の値上げは?
ほとんどなかったと言ってよいでしょう。
2016年7月頃から2021年10月の間で価格が上がっているメニューはカツカレー,ご飯,サラダのみ。
メニュー | 2016年7月 | 2021年10月 |
---|---|---|
カツ丼(梅) ソースカツ丼(梅) | 490円 | 490円 |
カツ丼(竹) ソースカツ丼(竹) | 650円 | 650円 |
カツ丼(松) | 850円 | 850円 |
ヒレカツ丼 | 690円 | 690円 |
カツカレー(梅) | 590円 | 590円 |
カツカレー(竹) | 750円 | 750円 |
カツカレー(松) | 950円 | 990円 |
ロースカツ定食 | 690円 | 690円 |
ダブルロースカツ定食 | 950円 | 950円 |
ヒレカツ定食 | 790円 | 790円 |
メンチカツ定食 | 650円 | 650円 |
ロースメンチカツ定食 | 790円 | 790円 |
海老ヒレメンチカツ定食 | 790円 | 790円 |
海老ロースカツ定食 | 790円 | 790円 |
海老ヒレカツ定食 | 790円 | 790円 |
おろしカツ定食 | 790円 | 790円 |
おろしヒレカツ定食 | 890円 | 890円 |
ご飯 | 150円 | 160円 |
とん汁(小) | 120円 | 120円 |
とん汁(大) | 160円 | 160円 |
サラダ | 100円 | 120円 |
海老フライ(1本) | 80円 | 80円 |
メンチカツ(1枚) | 150円 | 150円 |
千切りキャベツ | 100円 | 100円 |
おろしポン酢 | 100円 | 100円 |
ご飯大盛り変更 | 100円 | 120円 |
デフレといわれ続けてきた日本を象徴する結果です。
まとめ
はじめの再掲です。
- 約2年前(2021.10)からの平均的な値上げ率は丼・カレー8.0%程度,定食7.3%程度。定食の方が値上げが緩い傾向
- カツカレー(松)は値上げなし
- カツ丼は,(竹)の値上げ幅が小さい
- おすすめメニューの中では,ロースカツ定食の値上げ幅が小さい
- ただし,ロースカツ・から揚げ定食はもっと穴場
- 2023年は2回の値上げが行われたが,それぞれのメニューの値上げは1回(2回連続の値上げはない)
出典
[1]かつや, メニュー, https://www.arclandservice.co.jp/katsuya/menu/ (2023.9.18閲覧)
[2]かつや, メニュー(Internet Archive), https://web.archive.org/web/20230000000000*/https://www.arclandservice.co.jp/katsuya/menu/ (2023.9.18閲覧)
[3]Kakaku.com, かつや店舗一覧(食べログ), https://tabelog.com/grouplst/G00042/ (2023.9.18閲覧)