渡航や帰国時の規制も徐々に緩和されそろそろ海外に行きたい!という方も多いでしょう。
しかしながら,2022年は円安・物価高が進んでおり,現地でかかるコストが気になるところ。
そこで今回は,2020年-2022年の各国通貨の対円変化率と各国のインフレ率より,2020年8月ごろと比較した各国への行きやすさをランキングにしました。
おおよその傾向としては,次のような結果になっています。
- どの国も日本から見たコストは上がっている
- 「トルコ」「タイ」「ヨーロッパの一部」などが比較的上昇幅が小さい
それでは以下で詳しくみていきましょう!
行きやすいはどこか?
行きどきの国をランキング!
為替を考慮したインフレ率について日本を1とした正規化を行ったものを「行き時指数」としてランキングします。データソースや注意点などは記事の最後に記載しています。
<計算式>
[2020年比 行き時指数]=
([2020年8月-2022年8月の対円通貨変化率]
[2022年9月までに報告されている各国の年間インフレ率]×
[2021年9月までに報告されている各国の年間インフレ率])/
[2020年比 行き時指数(日本)]
つまり,指数が低いほど行き時です。ランキングは以下のとおり。
1位 「日本」つまり,お得になっている外国は,ない!
上記のとおり,いちばん行き時な国は日本となりました。
「海外じゃない!」というツッコミが聞こえてきますが,重要なことなのであえて言及をします。
つまりは,2年前と比べると,どこの国に行くにも割高感があるということです。
これを開き直って,現在実施中の県民割・ブロック割や今後実施予定の全国旅行支援,各自治体で行われているキャンペーンなども活用して,引き続き国内旅行に目を向けてみるというのも良いでしょう。
海外旅行に行かれる方は,このような状況でも行くんだ!という思い切りが必要ですね。
2位 アジアとヨーロッパのゲートウェイ「トルコ」
1トルコリラは2020年8月から2022年8月までに14.6→7.51円と0.51倍に。ただし物価は2.15倍となり,トータルで見るとややお得度が下がった形になります。
ただし,他の国々と比べるとまだ良い。もともとの物価もそれほど高くありませんでしたので,比較的行きやすい国となっています。観光地も多いので旅行にはおススメです!
ヨーロッパとアジアが交わるシルクロードの交易地として発展してきた首都イスタンブール,奇岩と洞窟住居が織りなす光景や気球で有名なカッパドキア,石灰棚の幻想的な景観が楽しめるパッムカレや数々の遺跡など,一度の旅行では回りきれないほど見どころがたくさんあります(それぞれは飛行機が飛んでるくらいの距離があります)。
私もトルコは一度だけ行ったことがありますが,ローカルなハマム(公衆浴場)でボロ雑巾を扱うような力強い施術を受けたり,イスタンブール旧市街で詐欺的な絨毯販売の方との国際交流をしたなど思い出深い国です♪←この話はまたの機会に
3位以下の上位は「ヨーロッパ」が目立つ
3位のハンガリーから17位のギリシャまでは,タイを除きヨーロッパの国々という結果に。
2022年7-9月には1ユーロが1ドルよりも安くなる「パリティ割れ」の状況となったことが話題となりました。ヨーロッパの通貨も一部を除いては,それほど強くはないようです。
ただし,ヨーロッパは北欧や西欧を中心にもともと物価が高い国が多いことには注意が必要です。
個人的には,西欧の中では比較的物価が安いポルトガルは,印象に残っている国です。
何が良かったかと聞かれると説明は難しいのですが(笑)
ヨーロッパらしい古い街並みとヨーロッパ西端国・大航海時代のロマンなどが感じられる首都リスボン周辺。田舎(わたしはモンサントという町に行きました)でゆったり過ごす時間などが至福でした。
ほかには,ハンガリーやマルタも以前からヨーロッパでは物価が安いといわれています。今回のランキングでも上位,つまり日本から見た価格上昇率が低めのため,狙い目かもしれません。
順位はまちまちだが「東・東南アジア」も狙い目か?
今回は順位がまちまちであった東・東南アジアの国々。
今回の統計手法は,その国の2020年8月と比べた変化を指標としているため,このような結果となってしまいました。
ただし,アジアはもともと物価が安い国が多い地域です。「昔ほどお得感はない」というだけで,まだまだ欧米などよりは値段が安い場所が多いでしょう。
「アメリカ」はやっぱり高い
アメリカは46位。やはりコストは大幅に上がっており,アメリカ旅行を考えていた方は大変です。
逆にアジアやヨーロッパなどを考えていた方にとって朗報かもしれません。
テレビなどの情報はアメリカ・米ドルとの比較が多い。海外といってもアメリカ基準の報道などから受ける印象よりは,アジア・ヨーロッパは(一部を除き)いくぶんマシでしょう。
後記:わたしは「行きたい時に行く」派かも
この先の為替や物価がどうなるかは誰にもわかりません。上がる可能性もあれば,下がる可能性もある。先延ばしは賭けの要素も強いです。
また,行きたい場所がいつまでもそのままあるとは限らない。これはみなさん行動制限に耐え抜いた数年で実感していると思います。
お財布事情はもちろん気になりますが「行かないでするかもしれない後悔」は行くことでしか解決できない。であれば,高くなっているというのは承知のうえで,無理のない範囲で行っておきたい,というのが個人的な考えです。
とはいっても,円安・高インフレに加え,サーチャージ高というトリプルパンチは正直辛いです 涙
出典・本記事の注意点
出典
[1]みずほ銀行, ヒストリカルデータ(外国為替公示相場ヒストリカルデータ・月中平均データ), https://www.mizuhobank.co.jp/market/historical.html (2022.9.15閲覧)
[2]Trading Economics, Inlation Rate| World, https://tradingeconomics.com/country-list/inflation-rate?continent=world (2022.9.15閲覧)
アーカイブ2021.9.18 https://web.archive.org/web/20210918220037/https://tradingeconomics.com/country-list/inflation-rate
本記事の注意
記事全体について
- 各国の入出国制限や治安情報等は確認しておりません。実際にご旅行される際はよくご確認いただきますようお願いします。
行き時の国ランキングについて
- このランキングは上記出典の両方にデータがあった50カ国での比較です。その他の国や地域はランキング算出の対象に含まれていません。
- インフレ率は上記[2]を2022.9.15に閲覧したものと,2021.9.18のアーカイブページのものを使用しています。国により報告年月が違いますので,正確に比較ができるデータとはなっておりません。あくまで傾向を掴むためのものとお考えください。
- 為替やモノの値段は日々変動しています。本指数・ランキングは上記データに基づくものであり,あなたがこの記事を閲覧している時点とは異なります。
- ランキングに使用した「行き時指数」はあくまで本記事オリジナルの”日本円との為替を考慮して,ある地点からその国の物価がどれくらい変化したか?”を測る指標です。したがって,各国横断で「お得さ」が分かるものではないことをご留意ください。
最後にランキングを再掲します。それでは!