日本では2018から2019年頃にかけて話題となったスマートスピーカー。
当時と比べてその名前を聞くことは少なくなりましたが,着実に普及は進んでいるようです。
調査会社Canalysは,2021年の世界のスマートスピーカー市場は21%成長すると予想しています[1]。
そんなスマートスピーカーですが,「まだまだ見かけない」「使っている話を聞かない」という方も多いでしょう。
わたしは2018年3月12日からAIアシスタントAlexa(アレクサ)を搭載したスマートスピーカーAmazon Echo(エコー)と暮らしています。当時はまだ一般発売されておらず,招待制での販売していた黎明期。
本記事では「スマートスピーカー,興味はあるけど実際どうなの?」という方へ向けて,導入後3年が経った現在のエコーへの心境と実際に使っている機能を紹介します。
エコー(アレクサ)に対する気持ちの変化
導入時:わくわく
導入当時は,無駄に話しかけたり,色々なアレクサスキル(アレクサで使えるアプリ)を試したりしたものです。
また,スマートプラグやスマートリモコンを購入して,家電のON/OFFをできるようにして喜んでいました。
「これからどんなことができるようになるのだろう?」とワクワクしたものです。
現在:さめた夫婦
AIだ何だと言っても,とりとめのない会話を試みると「ちょっと難しいです」「わかりません」の連発で次第に興味を失っていきました。
今では「おはよう」の一言もかけることはありません。
アレクサは世界的な大企業アマゾンを背負っているため,ヘタなことは言えないのでしょう。アレクサは,ユーザーを楽しませることよりもアマゾンの犬であることを選んだのです。
(マイクロソフトのAIが差別語を発言するようになってしまった前例[2]などを踏まえると,発言内容に制約をかけるのは仕方のないことです。)
一方,現在では,わたしもそれならばとアレクサを”便利な機能を使うための家電”と割り切っています。
まるで,配偶者をATMや家政婦としか思っていない,さめた夫婦関係のようです。
アレクサに対する口調も,はじめは
「アレクサ,10分のタイマーセットして」
などと話しかけていましたが,最近では
「アレクサ,10分のタイマー」
と,愛着も何もありません…笑
使っている機能10選
声で操作ができる,音声で確認できるというのは,想像以上に便利なものです。
作業をしながらのながら操作やながら確認,動かずに家電の操作などができる快適性は,一度体験するとやめられません。
時刻を尋ねる「今何時?」
すごく地味ですが,これが一番使っている機能です(笑)
寝おきに時計やスマホを手にとって時間を確認するのは意外と面倒くさい。
そんな時に「アレクサ,今何時?」と聞くと現在の時刻を教えてれます。
ニュースを聴く「最新ニュースは?」
ニュースを読み上げてくれます。ニュースソースはスキルの中から自分でカスタマイズ可能です。
たとえば,全般ニュース「NHKニュース」「Yahoo!ニュース」,テクノロジー情報「CNET Japan News」,マーケット情報「大和証券マーケット情報」,海外ニュース「CNN.co.jp News」「BBC World Service(英語)」,天気予報など,さまざまなソースが設定できます。
朝や帰宅時などに作業をしながらきくことが多いです。
Kindle本の読み上げ「本を読んで」
kindle本を読み上げてくれます。
機械読み上げのため,読み間違いや違和感はありますが,内容自体は理解可能です。
布団に入ったあとに10分くらい本を読んでもらうことが多いです。
(スリープタイマーを設定することで再生を自動で停止してくれます。)
ひとつ不満があるとすれば,読み上げる本の指定が音声入力ではやりにくい。そんな時は,スマートフォンのアレクサアプリ経由で再生しましょう。
音楽を聴く「音楽かけて」
作業中などには音楽配信サービスでテキトーに音楽を流しています。
わたしは,amazon musicのアマゾンプライム会員付帯プランを利用していますが,他にもApple MusicやSpotifyなどのサービスにも対応しているようです(2021.3現在)。
ただ一つ不満をいえば,「音楽かけて」だけの発話だと,流してくれる曲がマンネリ化します。
そんな時は後述するBluetoothスピーカー機能でスマートフォンを接続して,スマホのamazon musicアプリから音楽を選びましょう(二度手間感^^;)
radikoでラジオを聞く「ラジコでXXラジオつけて」
エコーでは,インターネットでラジオが聞けるサービスradikoを使うことも可能です。
こちらも前述した音楽と同じく,作業中や耳がさみしいときによく利用しています。
家電操作「エアコン/照明/TVつけて」
エコーに対応したスマートリモコンやスマートプラグを導入することで,エアコン,テレビ,照明といった家電の操作をしています。
出かける準備をしながら声だけで電源を消したり,リモコンが見つからないときの応急操作だったり,色々と便利です。
ただし,スマートリモコンを使う場合は,リモコンで操作される家電自体はアレクサ対応というわけではないことに注意しましょう。
例えば,普通のテレビは電源ONとOFFのボタンが分かれておらず,一つのボタンでON/OFFしますよね? したがって,テレビがついているときに「TVつけて」というと,テレビが消えてしまいます。
(消えている時に「消して」というと電源がついてしまうのも,しかり)
タイマー「7分のタイマーセットして」
料理をしているときによく使います。
手を洗ったり,調理の動きを止めたりすることなく設定できるためストレスフリーで便利です。
スマホを探す「スマホどこ?」
スマホを部屋のどこに置いたかわからなくなることはありませんか?
スマホの場所を尋ねると,スマホのアラームを鳴らして知らせてくれます。
リマインダ
忘れそうな予定をセットしておくと,時間になったら教えてくれます。
Bluetoothスピーカー
エコーはBluetoothスピーカーとしても使えます。スマホに入っている音楽をスピーカーで聴きたいときなどには便利です。
使わなくなった機能
上述した機能以外のものは使わなくなりました。
ピカチュウを呼んだり,英語学習だったり,娯楽系だったり…最近はめっきりです。
理由は,スキルの完成度がいまいちといいますか…←偉そうですみません
「スマート」「AI」などカッコいいことを言っても,スキルについては基本的にプログラミング言語でガリガリ書かれたものであるわけです。
融通の効かないif-thenルール,うまく操作できない時のストレスなどがボディーブローのように効いていつの間にか使わなくなっていきました。
AIとプログラミングがうまく融合したアプリケーションがうまく創られる日はもう少し先なのかもしれません。
まとめ
スマートスピーカーは生活を変える家電であることは間違いありません。シチュエーションによっては声での操作は想像以上に便利です。
わたしはホテルなどに泊まって照明を消したい時などにも,つい「アレクサ,」と呼びかけてしまうこともあるくらい(恥)
しかしながら,SF映画などにでてくるような未来のAIの域にはまだまだほど遠いこともまた,間違いないです。
購入を迷っている方は,「あまり期待をせずに」「安いモデルから」導入してみることをお勧めします。
出典・参考
[1]Canalys, Global smart speaker market 2021 forecast, https://www.canalys.com/newsroom/canalys-global-smart-speaker-market-2021-forecast?ctid=1730-72f6fbee60c3de97dc1f5a6a57b2404d (2021.3.24閲覧)
[2]CINET Japan, 差別主義者と化したAIボット「Tay」からマイクロソフトが学んだこと, https://japan.cnet.com/article/35140462/ (2021.3.24閲覧)