2022年8月28日(日),JR西日本の観光列車etSETOra(エトセトラ)へ乗車しました。区間は往路・広島→三原の往路(終点は尾道)。
etSETOraへの乗車は3回目。今回の目的は期間限定の新メニュー「瀬戸の小箱〜スイーツ&セイボリー〜」を食べること。
※2023.3.15に販売期間の延長などが発表され終了時期の記載がなくなりました。
これまでの”スイーツのみ”の瀬戸の小箱とは少し趣が違い,新たな可能性が垣間みえる興味深いメニューでした。
瀬戸の小箱〜スイーツ&セイボリー〜
概要
販売路線:etSETOra 広島→尾道(往路)
販売期間:2022年8月5日- 終了未定 ※要事前予約
製造者:ホテルグランヴィア広島
価格:3,700円(2023年3月までは3,500円)
その他:2023年4月以降は珈琲or煎茶つき
グランヴィア広島より提案する<瀬戸の小箱>は、ホテルで人気のアフタヌーンティーをイメージしたetSETOraオリジナル商品です。スイーツ3種、セイボリー3種の全6種類の盛合せです。ホテル開業35周年を記念した、広島に拘ったバラエティー豊かなSweets&Foodをお楽しみください。
[1]
広島や瀬戸内の食材を使用して「アフタヌーンティー」をイメージした瀬戸の小箱[[1][2][3]。その名のとおりスイーツとセイボリー(≒お惣菜)のセットとなっています。
瀬戸内の車窓や広島をモチーフにした列車の内装を楽しみながら,目に・味に,旅情あふれるひと時を体験できます。
乗車日の4日前※までの事前予約が必須。予約方法・キャンセルポリシーなどはetSETOra特設サイトからのsetowaへのリンクをご確認ください。
※etSETOra特設サイトやニュースリリースによる4日前という記載を採用しています。予約サイト(setowa)では3日前15時までと記載されています。私が乗車した時点では3日前15時までの予約が可能でした。
呉駅通過後,受け取り&実食!
広島駅を出発して約50分,呉駅通過後にお待ちかね。アテンダントさんが席まで持ってきてくれます。
そして,開封!
筆者の撮影力不足が惜しまれますが,華やかで一品一品盛り付けも美しいです…。
セイボリー
左から,
「瀬戸の小箱〜スイーツ&セイボリー〜」同封文書より
- 魚介類のマリネ 瀬戸内ドレッシング
海老・帆立貝・タコ 瀬戸内レモンをベースにオリジナルドレッシングでマリネしたセイボリー- 世羅のたまごとトリュフのキッシュ
広島県産世羅のたまごとトリュフを贅沢に合わせた逸品です 2種のチーズを使用したリッチな大人の味わいです- 牡蠣醤油風味の和牛ローストビーフとコンソメジュレ 広島県産キノコ添え
国産黒毛和牛を牡蠣醤油で風味をつけながらゆっくりローストしました 「海と大地の恵み」の芳醇な味わいをお楽しみください
との紹介が。
想像を超えるような感動はありませんが,普通においしいセイボリーでした。
スイーツ
左から
「瀬戸の小箱〜スイーツ&セイボリー〜」同封文書より
- 瀬戸内レモンティラミス
マスカルポーネに瀬戸内レモンジャムを混ぜ込んだティラミス 広島県産レモンのシロップ漬けと広島の製粉所「上万」のきな粉を用いたクッキーをトッピングしました- 広島県産アヲハタリンゴジャムのショートケーキ
竹原市忠海アヲハタのジャムのショートケーキ シャキシャキとした食感とりんごのシロップ漬けがシナモン風味の生地によく合います- ベリーとチーズのタルト
カスタードとクリームチーズ ベリーを重ねたタルト アーモンド生地には甘みを引き立たせるために旨みのある藻塩を加えました
とのこと。
こちらのデザートについては,個人的にはもう少し頑張ってほしいところ。
まず,ティラミスについては,呉線の揺れの中で小さい容器から,扱いにくい紙フォークでほじくり出して食べるのは難易度が高い 笑
気をつけないとパウダーが飛び散ります。
また,レモンのシロップ漬けがたっぷり入っており少し主張が強いかなーという印象。ニガテな方は,よけながら食べると良いですね。
そして,りんごのショートケーキ。上に載っているスライスが,リンゴから甘みも香りも抜き去ったような味。この下のケーキは普通においしかったのでモッタイナイ…。
タルトは見た目と説明どおりのお味で満足です。
そんなこんなで,竹原へ到着する少し前11:20分ごろまで約1時間くらいかけて,車窓を楽しみながら,ゆっくりと味わいました。
ここから私が下車する三原までは約50分(終点尾道までは1時間程度)。呉線で海に最も近い忠海-安芸幸崎間の風景や記念ボードとの撮影タイムを楽しみながら車内での時間を過ごしました。
もっとアフタヌーンティーっぽく!
このように,ほどほど満足であった瀬戸の小箱でしたが,個人的にはアフタヌーンティー感が足りない 笑
第一に,アフタヌーンティー定番のサンドイッチやスコーンがない。
もちろん,朝ご飯を食べて,お昼までの間にサンドイッチやスコーンなどは重いという方も多いでしょう。
現代日本のアフタヌーンティーは,独自に進化を遂げてきたものです。伝統的なサンドイッチから広い意味の”軽食・お惣菜”(セイボリー)へ,ペストリーも広い意味のスイーツへ……。
時代や環境をへて変化してきたアフタヌーンティー。その意味では,この瀬戸の小箱は朝食後のあまりお腹が空いていない時間でも食べられる嬉しい構成でしょう。
でも,やっぱり個人的にはサンドイッチやスコーンがないのは物足りないのです。
次に,車内販売メニューに紅茶がない!
これは個人的にはけっこう悲しい。期間限定メニューでも良いのであれば嬉しいなーと。
瀬戸内というよりは内陸部になりますが,広島でも隣の岡山でも和紅茶なんかは作られています。そういうものがあると,より地域の魅力を感じられるかもしれません。
というわけで,次の二つの課題を解決しなければいけません。
アフタヌーンティーに近づけるための課題
- サンドイッチ・スコーンが欲しい
- 紅茶が欲しい
足りないものは,広島駅で買う
そこで,アフタヌーンティーっぽくするには,買って持ち込むしかありません。
2022年8月現在,etSETOraでは飲食物の持ち込み制限は案内されていません。
JR四国「ものがたり列車」のような食事もウリとしている観光列車などでは,持ち込み制限が行われている場合があります。が,何も案内がない列車では常識の範囲内での持ち込みは認められていると考えて良いでしょう。
etSETOraでも,持ち込みのおつまみなどを楽しんでいる方は見受けられます。
ただし,往路のetSETOraは広島駅9:32発。この時間より前にOPENしているお店で調達しなければいけません。
となると,やはり広島駅構内の商業施設が無難でしょう。
私が利用したお店
サンドイッチはアンデルセンで
サンドイッチはekie 2Fレストランエリアの「e’s time cafe & ANDERSEN」で購入。アンデルセンとJR西日本関連企業とのコラボ店舗です。
とりあえずミックスサンドを買いました。
ちなみに,ミニサイズもありました。
スコーンは(しょうがないので)セブンイレブンで
上記のアンデルセンでスコーンも売っていると考えていたのですが,なんと無いとのことorz
しかたがないので,セブンイレブンで購入です。
セブンイレブンは広島駅構内(南北自由通路の新幹線口(北側)・南口・在来線改札内など)にあります。
甘めでしっとり,ジャムやクリームがなくても美味しく食べられる。本格派とは言いにくいですが「コンビニ菓子パン」としての完成度はさすがセブンイレブンといった商品です。
なお,わたしが確認した限りでは,在来線改札内のセブンイレブンではスコーンの取り扱いはありませんでした。
紅茶はスタバで
紅茶は南北自由通路に面したスターバックスコーヒーで購入。好みの味かといわれると微妙なところですが,約590mlの大容量ベンティサイズがあるのがポイントです。
なお,紅茶を「最後まで温かいまま飲みたい!」というこだわり派の方!
家から保温の水筒で持って来られない場合は,諦めてください(笑)
なんせ,瀬戸の小箱の配布時間は呉駅到着後。広島駅出発から呉駅到着後にサーブされるまで50分以上あるので確実にぬるくなりますorz
車内にはUSBポートがついておりますが「USB充電専用」と書かれているため,USBで動作する保温機器などを使うのはルール違反。
また,いうまでもないことですが,JRの切符のルールでコンロ類は持ち込めません。
ちなみにスタバではメニューとしてはサンドやチョコスコーンもあるため,売り切れなどでなければ全てここで揃えることも可能かもしれません。
ほかに使えそうなお店
- コメダ珈琲 ヴィアイン広島新幹線口店
広島駅新幹線口から徒歩3分程度。メニューの一部のサンドイッチや紅茶のテイクアウトができるようです。 - ハースブラウン広島駅店(在来線改札内)
ヤマザキ系列のパン屋さん。サンドイッチやテイクアウトの紅茶を取り扱っています。ただ,改札内のため,売り切れなどの賭け要素が強くなってしまうのが難点でしょう。 - ローソン 広島テレビ店・広島光町店
広島駅新幹線口から徒歩3分程度。こちらもサンドイッチやスコーン(という名のもの)の購入は可能かもしれません。なお,セブンイレブンにないメリットとして,マチカフェで紅茶の取り扱いがあります。
瀬戸の小箱を受け取るまでの約1時間はコレで楽しむ
アフタヌーンティーは大体,
「セイボリーやサンドイッチ」→「スコーン」→「スイーツ・ペストリー」という順番で食べられます。今回はスコーンの後にセイボリーに戻りますが,「こうでないとマナー違反」というようなお固いのものでもありません。
なのでこれで問題ナシです!
こちらで広島駅から,呉駅を出発して瀬戸の小箱をもらうまでの約1時間は楽しみました。
もちろんここまで入念に持ち込む必要はないかもしれませんが,車内販売の開始自体が広島駅出発から25分後くらいであるため,はじめの時間が手持ち無沙汰になりがちです。
簡単な飲み物やおつまみがあると暇つぶしになるでしょう。
感想
今回登場した「瀬戸の小箱〜スイーツ&セイボリー〜」。
試みとしては非常に面白く,今後の新たな可能性を感じさせるものです。
これまでのスイーツだけではなく,セイボリーも組み合わることで,呉線経由の(時間的な^^;)長旅をよりゆったりと楽しめるようになったという仕掛けは面白い。
期間限定というのも,乗車リピートをする理由付けになってニクいです。
ただし,今回の瀬戸の小箱は個人的には「大満足!」とまではいえなかったのが本音。JR西日本グループのフラッグシップ的ホテル「グランヴィア(広島)」による提供のため,期待値が高すぎたのかもしれません。
ですが,新しい可能性が見えてくる興味深い体験となったことは確かです。今後もさまざまな取り組みを行い,より魅力的な観光列車になっていってほしいものです。
それでは!
参考情報
他にもetSETOraの記事書いてます
瀬戸内の魅力たっぷり! 観光列車etSETOraエトセトラ 往復乗車記【JR西日本】
こちらは初めてetSETOraに乗車した際の記事です。復路(尾道→広島方面)は2021年10月以前の山陽本線経由の内容となっていますが,往路(広島→尾道方面)については現在でも参考にしていただけると思います。
観光列車etSETOra(エトセトラ)新復路! 瀬戸内の景色をトレインバー&限定スイーツで楽しむひととき
こちらは2021年10月以降(山陽本線から呉線経由に変更後)の乗車記です。
観光列車etSETOraエトセトラに乗るには?きっぷ購入・予約方法
etSETOraの空席確認・きっぷの購入方法について解説します。
出典
[1]JR西日本, etSETOra 瀬戸の小箱〜スイーツ&セイボリー〜(setowa), https://app.jwfm.setowa.jp/eticketDetails?ticket_id=TK137200&utm_source=odekake_hp&utm_medium=qrcode&utm_campaign=202207_odekake_hp (2022.9.8閲覧)
[2]JR西日本, 観光列車「etSETOra(エトセトラ)」スイーツ&セイボリーを期間限定で販売します, https://www.westjr.co.jp/press/article/2022/07/page_20336.html (2022.9.8閲覧)
[3]JR西日本, etSETOra(JRおでかけネット), https://www.jr-odekake.net/railroad/kankoutrain/area_hiroshima/etsetora/ (2022.9.8閲覧)
<更新履歴>
・2022.9.9 掲載
https://web.archive.org/web/20221003051728/https://www.akizou.com/etsetora-savory
・2023.4.3 更新 「瀬戸の小箱〜スイーツ&セイボリー〜」販売期間延長,価格変更につき書き換え